「私が子どもの頃、この辺り住んでいたのは100世帯ほどだった」と話す山室住職。お盆の頃に檀家回りをすると各家々で親類縁者が『生御霊(いきみたま)』と呼ぶ、栄養補給と一族の親睦を深める宴会を開いていたものと振り返る。
「少し前のお寺は冠婚葬祭に利用される集会の場だった。時代と共に役目が変わってきたが、お寺として檀家さんはもちろん、一般の方にも喜ばれるよう努力をしていきたい。」
その一つが『大般若会(だいはんにゃえ)』。三蔵法師がインドから持ち帰った600巻の経典をバラバラと振って起きる風で祈祷する法会。
ほかに月に一度の写経の指導、鈴(リン)と鉦(しょう)を鳴らしながら五七五七七にメロディーをつけて唱える『梅花流詠讃歌(ばいかりゅうえいさんか)』など新しい取り組みを始めている。
「まだ始めたばかりなのでこれからだと思うが、接する機会が少ない人たちともお会いできた。これから徐々に浸透させていきたい。」
(平成18年5月) |